今日は、私がロンドンに留学した時に漠然と感じた日本の特殊性を話そうと思います。
日本とイギリス、どちらも島国という立地で、よく日本人とイギリス人は気質が似ていると言われます。確かに、同じ英語圏でもアメリカ人やオーストラリア人とイギリス人はちょっと違うと私も実感しています。でも、イギリスと日本は住んでみると全く違う環境の島国です。同じ島国でもイギリスは完全に多民族国家です。根っからのイギリス人(ヨーロッパ人)、アフリカ系、アラブ系、インド系、アジア系、いろーんな国をルーツに持つ人々が生活しています。私はその割合に驚きました。郊外に行けばまた違ってきますが、ロンドンは完全に人種の坩堝です。そして100%ではないですが、各人種で住み分けがされている街でした。このエリアは白人が多い、この通りはアラブ系のエリア、ここから先はアジア系…といったかんじです。まあ、異国の地で同じ人種の人たちが集まってしまう心理はよ~くわかるのですが、本当にくっきり分かれていて、しかも貧富の差もくっきりしています。留学してすぐの頃、家の近所を目的もなくブラブラしていると急に暗い通りに出て、「本当にここはロンドン?」と思えるほどどこを見てもアラブ系の店しかない…という状況が何度もありました。幸い危険な目には合わなかったけれど知らずに夜ふらつくのはお勧めしません。こういう環境なので、道を歩いていると白人の人がどこからどう見てもアジア人の私に英語で道を尋ねてきます。日本ならわざわざ外国人に道を尋ねたりしませんよね?でも世界から見ると日本がすごく特殊な環境なんだと思います。
徐々に日本に住む外国人も増えてはいますが、まだまだ隣近所、学校のクラスの大半、お店のスタッフ、客…は100%に近い割合で日本人です。そしてごくごく当たり前に日本語でコミュニケーションが成り立ちます。これが「日本人は英語を話すのが苦手」の根本原因かもしれません。でも逆に考えると日本の文化や日本語という言語が世界的に見て独特で、とても貴重なものだと言えると思います。
最近、英語熱が高まる裏で、「英語力よりもまずは日本語力」と言語学の偉い先生方がよく話している記事を見かけます。私はかなりこの意見に賛同しています。
その理由についてはまた後日・・・